The My Wayが大切にしていること 第十三回 一着には記憶が残る
- themywaymoys

- 6 分前
- 読了時間: 2分
長くこの仕事をしていると
何年か前にお仕立てしたスーツと
久しぶりに再会することがあります
メンテナンスだったり
サイズのお直しだったり
新しい一着を作る時に
以前のスーツを着て来てくださったり
そんな時
僕はその一着を見ながら
仕立てた当時のことを思い出すことがあります
この生地最後まで迷ったな
この裏地
お客様がすごく気に入ってくださったな
この一着を作った頃は
こんな話をしていたな
不思議なもので
服を見ると
その時の記憶が蘇ってくることがあります
きっとそれは着る人にとっても
同じなのだと思います
初めて大きな仕事を任された日に着たスーツ
結婚式で着た一着
お子様の入学式で着たジャケット
大切な人と会った日に締めたネクタイ
服そのものは何も話しません
でも
その一着を見るだけで
あの日の景色や
その時の気持ちを
思い出すことがあります
だから僕は
服は単なる物ではないと思っています
着れば着るほど
時間が重なっていく
少しシワが入ったり
生地が身体に馴染んだり
新品だった頃とは
少し表情も変わっていく
でも
その変化も含めて
その人だけの一着になっていくのだと思います
もちろん
新しい服には
新しい服の良さがあります
でも
何年も着て
いろいろな時間を一緒に過ごした服には
新品にはない魅力があります
昨日
完成した日がゴールじゃない
とブログを書きました
その理由の一つが
ここにあります
完成した瞬間には
まだ何も刻まれていない一着に
着る人の時間が
少しずつ重なっていく
そしていつか
その一着を見た時に
「あの時 着ていたな」
と思い出す
そんな服を
一着でも多く仕立てられたら
僕にとって
これほど嬉しいことはありません
一着には記憶が残る
だからこそ
長く着たいと思える服を
これからも
仕立てていきたいと思います
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