The My Wayが大切にしていること 第十二回 完成した日がゴールじゃない
オーダースーツが完成して
初めて袖を通していただく日
僕にとっても
とても嬉しい瞬間です
生地を選んで
デザインを決めて
採寸をして
何週間か待っていただいて
ようやく完成する一着
鏡の前に立ったお客様を見ながら
サイズを確認して
最後にお渡しする
でも
僕はその日が
ゴールだとは思っていません
むしろ
そこからが始まりです
その一着を着て
仕事へ行く
大切な人に会う
結婚式へ出席する
家族の行事に参加する
何気ない一日を過ごす
そうやって
一着のスーツに
少しずつ時間が刻まれていきます
着ればシワも入ります
パンツの膝も出ます
時には
ボタンが緩むこともあります
体型が変わって
少し窮屈になることもあります
でも
それは悪いことではありません
着ているからこそ
起こることです
そんな時は
また持ってきてください
ブラッシングをする
プレスをする
ボタンを付け直す
サイズを調整する
必要なら
少し手を加える
そうしながら
また着ていただく
僕は
そんな関係でありたいと思っています
新しい一着を
次々に作っていただくことだけが
僕の仕事ではありません
以前お仕立てした一着を
何年か経って
もう一度持ってきていただく
そして
「これ まだ着たいんですよ」
と言っていただける
僕にとっては
それも本当に嬉しいことです
完成した瞬間が
一番格好良い一着ではなく
着る人と時間を重ねながら
少しずつ
その人の一着になっていく
そんな服を
仕立てたいと思っています
だから
完成した日がゴールじゃない
その一着と
お客様との時間が始まる日
そして
The My Wayとの関係も
そこからまた続いていく
それも僕がこの仕事で
大切にしていることの一つです
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